キーンコーンカーンコ……


「楓ーーー!」

『なんですかい?』


授業終了のチャイムを最後まで聞くことなく、私の名を呼ぶ少女。

まぁ、結菜のことだけど。


こいつが、こんな自由人で居られるのはいろいろと理由があるんだよね。

なんだかんだで、性格バラしても人気は減らず。

寧ろ、どんどん上昇中だから、それが1番の理由だけど。


「鈴森ー速いって何回言えば分かる?」

『チャイムが鳴ったら授業が終わるっていう事実は、変わりませーん』

「たくー、本当に憎たらしくなったもんだ。」


と、先生でさえ、軽く見過ごしてしまうから。

厳しく言った先生も、結局結菜に負かされるか、結菜ファンに潰されるかして、こうなってるからね。