充分時間をかけてから 体の中にそろそろと 何かが入ってくる感触。 耳元で 「痛くない?」 と低い声がする。 不思議と あまり痛いとは 思わなかった。 上手く声にはならずに 小さく うんうんと頷いただけだった。 唇を蓋がれて 舌が柔らかく入ってくる。 初めて他人と ひとつになった。 それも今日初めて話した人 どんな人かも まだよく知らない。 好きになった わけじゃないし 向こうも多分 私が好きなわけじゃない。 それでも生まれて初めて 独りじゃないという 安堵感があった。