棗と初めて
話した日のことを思い出す。



彼は
行きたくない飲み会に誘われて
困っていたのを見抜いていた。


健ちゃんが
好きじゃないことも。


私が困っていたから
助けてくれたんだ。


噂や悪評判は
もうまるっきり信用してない。


彼が大好きでもう止まらない。


また朝から
テンションが上がってしまって


そのまま
電車に乗ってしまった。


もう彼を起こさなくてもいい。


合鍵で
マンションに入っていく。



まだベッドで眠っている棗に
抱きついてしまう。



「大好き!!!」


「うわ、何だよ!
  心臓に悪い!」


「合鍵初めて
  使っちゃった!」


「結局起こすんなら
  意味ないだろう!?」