瞳の中の碧い海



「ね、ママ、週末はお泊りに
   行って来るけどいい?」


「いいけど…
  彼氏はいないの?」


「…いないよ?」


「そろそろ彼氏くらい出来ても
 おかしくないんじゃないの」


ママはそう言って
細い煙草に火を点ける。


「いないものは仕方ないよ」


「翼が健ちゃんの
 お嫁さんになってくれれば
 ママ安心なんだけどなぁ」


健ちゃんの家のおばさんにも
同じ事を言われたことがある。


みんながそれを
望んでいるのだろうか?


それは少し
寂しいのはなぜだろう。




今週末は家に行ってもいい?
と棗に訊くと


来たければ来ればいいという
いつもの返事だった。


それでも
嬉しいと思うのはなぜだろう。