れもんどろっぷ。




「陽菜ちゃん…顔が怖いっ!」

わざと少し高い声を出しながら、大袈裟に後ずさりする涼平さん。

あたしの顔が…怖い?

ハッと我に帰ると、遥斗さんと川東さんが楽しそうにしている姿を嫉妬するような目で見ていたことに気がついた。

「わ、無自覚でした…」

「…大丈夫だよ、陽菜ちゃん」

「え?」

ニコニコと、でも少しニヤニヤとしながらそう言う涼平さんに、違和感を感じた。

「あいつ…陽菜ちゃん以外の女優さんのことは下の名前で呼ばないから」




涼平さんにそう言われ、ドキッとしてしまった。

そんなこと知っちゃったら…余計期待しちゃうよ。



…じゃなくて!

涼平さんのこの言い方…あたしの気持ちに気づいてる!?

「り、涼平さん…!」

「あ、大丈夫。あいつは鈍いから早々気づかないよ」

パチっとウィンクをする涼平さん。

あいつは、ってことは…やっぱり涼平さんにはばれてたんだ…。