あたしが次に目を覚ましたのは翌日の朝方。
救護室にいたはずのあたしの体は、ホテル内のあたしの部屋へと移動していた。
…誰が運んでくれたんだろう。
遥斗さんだったらいいのにな、と勝手に想像すると、不謹慎ながら笑みがこぼれた。
すっかり軽くなった体を起こし、シャワーを浴びて身支度を済ませ、部屋を出ると。
「…はよ」
そこには遥斗さんの姿があった。
「お…はよう…ございます」
驚きのあまり声が詰まる。
遥斗さん…わざわざ迎えに来てくれるなんて。
「体調、大丈夫か?」
「はい、おかげさまで。ご心配おかけしてすみません」
「よかった。気にすんな」
微笑んでそう言ってくれる遥斗さんは、本当に優しい人。
「…よし、行くか」
「はい」
いつもは少しあたしの先を歩く遥斗さんが、今日はあたしの真横を歩く。
いくら元気とはいえ病み上がりのあたし。
きっと、そんなあたしの変化にすぐに気づけるようにするため。
深い意味は…ないんだろうな。
