(陽奈side) …全然寝れなかった。 昨日の夜…。 部屋の外からあたしを呼ぶ安藤さんの声がして、あたしは咄嗟に寝たふりをした。 すると。 『おやすみ、陽奈』 と、初めて愛しい声があたしの名前を呼んだ。 「いや、でもまさか…ね。」 ついに幻聴まで聞こえるようになったか、と思いながら独り言をつぶやいた。 …よし。 茜さん…のことは気にしないで。 いつも通りでいれば大丈夫だよね! 気合いを入れて部屋を出た。