「おかげさまで」
少し得意げにそう言うと、茜は更に頬を膨らませた。
「もう…ずるいんだから」
機嫌を損ねた茜の頭をぽんぽんと撫でてやる。
そうすると、茜がゆっくり口を開いた。
「ねぇ…ハル」
「ん?」
「ハル、あの子のこと好きでしょ?」
「…はっ!?」
突然図星を突いてきた茜に驚きを隠せず、思いっきり声を出してしまった。
「ちょ、声でかいよ!小さい頃から一緒にいるんだから…それくらいわかっちゃうよ」
てへ、と舌を出す茜に。
「…好きかもしんねぇ」
隠し事はできない気がして、俺は素直に答えた。
「曖昧だなあ。でもハルが誰かを好きになるなんて初めてじゃない?」
言われてみればそうだ。
仕事命の俺にとって、恋愛なんて邪魔な存在だった。
特に肩書き目当てで近寄ってくる女の共演者なんかは特に。
でも…いつの間にか木下に惹かれていた。
