(陽奈side)




涼平さんとのキスシーン。

涼平さんはあたしにキスすることはなく、
あたしのことをぐっと押して、わざと画面から外した。

驚いたけどとりあえず従った。





『ファーストキスは、好きな人のためにとっておきなさい』

そう言われたとき、涼平さんに全てを見抜かれているような気がした。






「涼平さん…ありがとう」



小さくなっていく彼の背中に向かってつぶやいた。