「…涼平くん、陽奈ちゃん」
あたしたちがじゃれあっていると、監督の声がした。
「あ、お疲れっす」
「お疲れ様です」
涼平さんに続いて頭を下げる。
「うん…。あれ、遥斗くんは?」
監督がキョロキョロと辺りを見渡し、安堂さんの姿を探していた。
「まだ来てないっすよ」
「そうか…。3人揃ってくれないと打ち合わせしづらいからなあ」
そんな話をしていると、少し急いだ足音が聞こえてきた。
「すみませんっ…遅くなりました」
足音の正体は安藤さんだった。
きっとかなり走ったのだろう。
服も髪も息も乱れている。
「…いや、遅刻じゃないから大丈夫だよ」
監督の優しい一言に安藤さんはホッとした表情を見せた。
