安藤さんに突然食事に誘われた日から、数日。
今日はドラマの次のシーンの打ち合わせがあるということで、某スタジオに呼び出されている。
今は星野さんの運転する車の後部座席。
この間…助手席。安藤さんの隣。
ドキドキしたなあ。
あの日。
突然の誘いにはびっくりしたけど、すごく楽しかった…。
2人きりだったというのに、いつもより自然に話せたし…
安藤さんも楽しそうで。
それが何より嬉しかった。
「何をニヤついている」
突然低い声が聞こえ体をビクッと震わせ顔を上げると、ミラー越しにこちらを見ている星野さんとバッチリ目が合った。
え、あたし…ニヤついてた!?
…恥ずかしい。
「いえ…その…」
慌てすぎたせいか言葉が見つからず、結局何も言い返せなかった。
「恋愛も仕事のうちだ。…もうすぐ着くぞ」
ん?
星野さん、今なんて言った…!?
え、え、エスパーですか星野さんは!?