翌日は休日で学校がないため、事務所に呼び出された。
両親は陽奈がやりたいことならやりなさい、と背中を押してくれたため、安心してこのお仕事ができそう。
事務所に入ると
「おはようございます!」
と、きれいに揃った挨拶が飛んできた。
現在の時刻は午後2時。
そっか、この業界は朝だろうが夜だろうが、その日初めて会う人にはこの挨拶をするのか、と、1人で考えながらあたしも
「おはようございます!」
と挨拶した。
「陽奈ちゃん、急にすまないね」
「あ、社長さん。おはようございます」
ぺこり、と頭を下げるあたしを見て、社長さんはにっこりと笑った。
「今日は宣材写真を撮ってもらおうと思って。1日でも早く陽奈ちゃんのことを世の中の人たちに知ってほしいからね」
早くもやることがあたしに伝えられる。
本当に期待されているんだ、と実感して、なんだかすごく嬉しくなった。
