「…奈、陽奈っ!」
軽く肩を揺すられ、名前を呼ばれている。
だんだんと意識がはっきりしてきたので目を開けると、そこには怖い顔をした星野さんがいた。
「…!?」
「なかなか起きないから心配したぞ。大丈夫か?」
…あたし、そんなに熟睡してたの!?
「す、すみません。大丈夫ですっ」
「そうか…。現場着いたから降りて」
星野さんはそう言うとドアを開けてくれた。
「「おはようございます!」」
現場に入ると聞こえてくるのは、相変わらず完璧に揃った挨拶。
最初はいつでもおはようございますと言うのに抵抗があったが、最近は慣れて自然と返せるようになった。
「…おはよ、木下」
ふと聞こえてきた愛しい声。
好きという気持ちに気づいた今、声を聞くだけでも心臓が壊れそうなくらい鳴ってるよ…。
