「あ、遥斗」
台本を読みながらあいつのことを考えていると、ふいに声をかけられた。
「…涼平」
振り返った先にいたのは相原涼平。
同じdropsのメンバーであり、俺の良き理解者だ。
「何、シケた面してんの?」
俺の肩を組みながらそう聞いてくる涼平。
…この、チャラ男。
「別に…てか涼平、もう撮影?」
「あぁ…陽奈ちゃんが休憩してる間に、俺1人のシーンを撮っちゃおうって言われたからさ」
そう言いながらうーん、と伸びをする涼平。
それより、陽奈ちゃん…?
…あぁ、あいつの下の名前だったかな。
「…そうか。あいつ、やっぱり元気なかったか?」