しばらくすると、撮影の本番が始まった。 目の前には安藤さんがいる…。 でも。 今はお仕事だから。 切り替えなきゃっ…! 『勝也なんて…もう知らない』 あたしは気持ちを切り替えようとした。 でも今日の撮影は… まるで狙ったかのように、お互いの気持ちがすれ違ってしまうシーン。 『俺だって知らねーよ』 ーーズキン 勝也が冷たく言い放つその言葉が、まるで安藤さん本人に言われているかのように胸に突き刺さる。 どうしても、あの言葉と重ねてしまう。 ーー『欲しいものは肩書き、でしょ』