「…そ。もう、大丈夫」 フッと安藤さんが微笑んだ。 …あ。 演技じゃなくて、勝也じゃなくて… 安藤さん自身が心から笑ってる。 そして、あたしは緊張がなくなっていることに気づいた。 安藤さんはあたしの緊張をほぐすために…リラックスさせてくれたんだ。 「…ありがとうございます」 そう言うと、安藤さんはほんの少しだけ微笑みながらゆっくり頷いた。 その瞬間、風が吹きつけ安藤さんの綺麗なミルクティー色の髪がなびく。 前に垂れてきた髪を掻き上げる姿は、とても色っぽかった。