れもんどろっぷ。




『そっ…そそそんなわけないでしょ!ばっかじゃないの!?』




「ちょ、ストップストップ!陽奈ちゃんどもりすぎ!」

あたしの詰まった声のせいで、読み合わせが一旦ストップした。

「す、すみません…」

「リラックスして。頑張ろう?」

監督の優しい対応が、余計に申し訳なさを増した。



「…生麦生米生卵」

突然ありきたりな早口言葉を口にする…

安藤さん。

「えっ…」

驚きのあまり、安藤さんの顔を見上げる。

「言ってみて」

そう言う安藤さんの顔は無表情。

「な、生麦生米…生卵…?」