「は…?おまえ…なにしてんの?」
驚きのあまり、早足で川東に駆け寄りながら言う。
「えーっと…追っかけ、とでも言いますかねぇ」
ふふっ、とふざけたようにそう言う川東に腹が立つ。
「…ふざけんな」
「ふざけてるのはどっちですかぁ?こーんな写真まで撮られといて♡」
川東はそう言って、1枚の写真をひらひらとしている。
「…!」
それは陽奈の家のドアの前で見つめ合う、俺と陽奈の写真だった。
「なっ…よこせ!」
「おっ…と。力ずくはダメよぉ」
急いで川東の手元にあるそれを奪おうとするが、呆気なく交わされてしまった。
そしてそれを自分のカバンにすっとしまう川東。
「ふふふ…遥斗さん」
「…んだよ」
目の前でヘラヘラと笑う川東にどうしようもなく腹が立つ。
「この写真…マスコミに売ったらどうなるんだろうなぁ〜。遥斗さんはまだしも、まだデビューもしていないあの子は…」
そこまで言うと、今までニコニコ、ヘラヘラしていた川東の顔つきがガラリと変わり、今まで見たことのない裏の顔を見せる。
その瞬間、俺の背筋が凍った。
「…終わりよ、木下陽奈」
