『あっ、もしも〜し。遥斗さぁん』
お決まりの猫なで声で話す川東。
作ってるのバレバレなんだよ。
あぁ…余計最悪な気分だ。
「…何?」
イライラして、つい素っ気なく言ってしまった俺。
こういう時は普通に対応しないとめんどくさいのに…やっちまった。
『もぉ、なんでそんなに素っ気ないんですかぁ〜?さっきまであんなに嬉しそうに陽奈ちゃんと話してたのにぃ』
…は?
たらり、と冷や汗が背中を伝う。
何言ってるんだ?こいつは。
何でそのことを…?
…まさか。
「お前、今どこにいる?」
『えっ、会いに来てくれるんですかぁ?』
「ふざけんな。行くわけないだろ」
俺のイライラと焦りはMAX。
もう普通の対応とか考えてられない。
『えぇ〜。でもいいです、会いに来ちゃいましたから♪』
「は!?」
『う、し、ろ♪振り向いてくださいよぉ』
そう言われ、恐る恐る振り返ると…
カシャリ
と、シャッターを切る音が聞こえると共に、
「こんばんは、遥斗さん♪」
川東が手を振っている姿が見えた。
