「…すみません、こんなところまで」
玄関の前に着き、あたしは再び遥斗さんに頭を下げる。
「…俺が勝手にやってることだから」
不器用な言葉にも、そろそろ慣れた。
あたしはふふっと笑みを漏らす。
「…どうした?」
「ふふっ、なんでもないです。今日はありがとうございました!」
「ん…」
遥斗さんは微笑みながら、あたしの頭をぽんぽんと撫でる。
この行動だけは何度されても慣れない…。
「じゃあ…おやすみなさい」
恥ずかしさを遮るように、別れの言葉を告げる。
「ん、おやすみ」
遥斗さんは軽く微笑んで、車の停まっている方へ歩き出した。
結局告白の返事をするタイミングは全くなかったけど…。
今日は本当に夢のような日だった。
ーーーカシャリ
そんな不吉な音など聞こえるはずもなく、あたしはただただ今日の余韻に浸っていた…。
