「それにしても、どうして向日葵畑へ?」
あれから少し経って、あたしたちはベンチに腰掛けた。
そこで疑問に思ってたことを聞いてみる。
「…あー」
遥斗さんは少し困ったような表情で俯いたあと、ゆっくりと顔を上げる。
「向日葵って…太陽に向かって咲く花じゃん。だから陽奈もこれから女優として、たくさんの日の光に照らされていってほしいと思ってな」
そう言い終えた遥斗さんの顔は真っ赤だった。
…そこまで照れながら言われると、あたしまで余計に恥ずかしくなってくる。
でも、そんな思いがあったなんて…素直に嬉しい。
「ありがとうございます、遥斗さん」
あたしが笑顔でそう言うと、遥斗さんはあぁ、と言いながらまた少し俯いた。
いつか、日の光に照らされて向日葵よりも輝ける日がきますように。
あたしは向日葵畑を見渡し、そう願った。
