とろける恋のヴィブラート

 ※ ※ ※

 その部屋には、まだ新鮮な情事の余韻の熱がしっとりと残っていた。


 気だるさの中で意識がトロンとしかけた時、奏の額にへばりついた前髪を柴野が愛おしそうにかき分けた。


「身体、大丈夫? 水、持ってこようか」


「ん……すみません」


「気にしないでいいんだよ」


 すると、今まで奏の肩を抱いていた温もりがすっと離れる。奏は一糸まとわぬ姿でベッドに横たわりながら、部屋の隅に掛かっているピンクのドレスをぼんやり見つめていた。



 ――それからドレスはピンクだ。わかったな?