とろける恋のヴィブラート

「ええっ!? な、ななななんで? 御堂さんが私の携帯の番号知ってるんですか?」


『お前、今どこにいる?』


「……あの、私の質問――」


『どうでもいいだろそんなこと……それより、今どこにいるのかって質問聞こえたか?』


(私の質問はどうでもよくて、自分の質問は大事なわけ? も~なんなのこの人!)


「今、渋谷です。パーティーのドレスを買いに」


『……ふぅん、で、何色?』


「ピンクかブルーか……迷ってるんですけど」


『今度のパーティー、始まる前に少し打ち合わせするから、一時間前にホテルに来い』


「あ、は、はい。わかりました……」


『それからドレスはピンクだ。わかったな?』


「えっ? ち、ちょっと――」


 ブツッと音がすると、奏の声も引き止める言葉も虚しく、ただ通話が途絶えた機械音が耳に残った。