とろける恋のヴィブラート

 「あの、御堂さん……? 一体どこに―――きゃっ」


 御堂は鬱陶し気に眉を歪めると、いきなり奏を強引に引き寄せた。


「っ!?」


 その瞬間、ふわっとエキゾチックな香りが奏の鼻をくすぐった。


(あ……いい匂い……って、ダメダメこんな香りに惑わされちゃ――)


 すると、その香りに煽られたのか、不思議と胸の鼓動が激しく波打ち始めた。


「ええ、じゃあ、よろしくお願いします」


 携帯を切ると同時に奏は解放され、はあはあと荒く息づくと、ゴクリと息を呑んで言った。


「な、なにするんですかっ!」


「うるさい、ぎゃーぎゃー騒ぐなガキ」


 御堂は舌打ちをして目を細めると奏を見下げた。