とろける恋のヴィブラート

 初めて御堂のヴァイオリンを聴いた時も、御堂はこの曲を弾いていた。まったく変わらないその音色に、奏はデジャヴを感じずにはいられなかった。


 その時、より美しく流れるようなピアノの旋律を追求するのに夢中だった高校時代のとある記憶が、奏の脳裏を掠めた――。