とろける恋のヴィブラート

 ※ ※ ※

 奏は誰もいない真っ暗な部屋に明かりをつけ、ヒールを脱ぐとすぐにPCの電源を入れた。


 無意識に気持ちが急いているのがわかる。立ち上がるまでの間でさえもどかしい。


(あった、これかな)


 奏はその表示されたファイルをクリックしようとして思わず指を止めた。


 御堂の演奏自体、聴くのは数年ぶりだ。まるで玉手箱を開けるような感覚に、ドキドキしながら奏は思い切ってファイルを開いた。


「これは……」