とろける恋のヴィブラート

 ――どのくらい眠っていたのかわからない。


 ふわふわと浮き沈みしている意識にまどろんで、その心地よさに揺られていると誰かがそっと優しく頭を撫でる感触がした。


「……ん」


「悪い、起こしたか?」


 まだ重たい瞼をゆっくり押し上げ、ぼんやりと窓の外を見る。まだ外は白んでもいない暗闇だった。


「あ……」


 ようやく記憶が鮮明に蘇って状況を理解すると、奏は反射的にベッドの布団を慌てて手繰り寄せた。


「なに今更隠してるんだ。もう遅い」


 同じくベッドの上で一糸まとわぬ姿で横たわる御堂が平然として言う。


「こっち来いよ」


 腹に腕を回されてそのまま抱き寄せられると、まだ燻っている御堂の熱がじんわりと素肌に伝わってくる。それがなんとなく気恥ずかしくて思わず身動ぎしてしまう。


「眠かったらまた眠ればいい……」


「はい……」


 今、こうして御堂と一緒にいることすら夢の中なのかもしれない。


 奏は、再び落ちそうになる意識を食い留めるように何度も目をこすった。