「御堂さんをウィーンに連れて行く前に、御堂さんのコンサートを緊急企画します」
無茶苦茶なことを言っている自覚はあった。けれど、奏は何が何でも引き下がるわけにはいかなかった。
「お前、何言ってんだ? また勝手なこと――」
「じゃあ、このままなにもしないでウィーンに帰るんですか?」
「――――」
痛いところを突かれて御堂は押し黙る。
しばらく沈黙が続いて時が長く感じられた。すると、今までなにか考え込んでいたような御堂が肩を下げてため息をついた。
「親父、これが最後のわがままだ。俺に、チャンスをくれ」
「カイリ……」
「頼む」
御堂がエドガーに向き直って深々と頭を下げると、初めて見せる御堂の行動にエドガーは言葉を失った。
無茶苦茶なことを言っている自覚はあった。けれど、奏は何が何でも引き下がるわけにはいかなかった。
「お前、何言ってんだ? また勝手なこと――」
「じゃあ、このままなにもしないでウィーンに帰るんですか?」
「――――」
痛いところを突かれて御堂は押し黙る。
しばらく沈黙が続いて時が長く感じられた。すると、今までなにか考え込んでいたような御堂が肩を下げてため息をついた。
「親父、これが最後のわがままだ。俺に、チャンスをくれ」
「カイリ……」
「頼む」
御堂がエドガーに向き直って深々と頭を下げると、初めて見せる御堂の行動にエドガーは言葉を失った。



