とろける恋のヴィブラート

※ ※ ※

 新緑も深まると同時に、フランシスカの公演日も日に日に近づいてきた。


 エドガーに会えなかったら――。という不安が何度も奏を落ち込ませたが、御堂と共に演奏をした記憶を呼び起こして、自らを奮い立たせていた。


 そして公演日当日――。


 今日は土曜日だというのに緊張していたせいか、普段通りの時間にバッチリ目が覚めてしまった。


 開演時間は夕方の六時。


(よし!)


 鏡の前で気合を入れると、奏はカジュアル過ぎないフォーマルなスーツで出かけた。