とろける恋のヴィブラート

「あの時の御堂さん……最後の別れ際で何かものすごく言いたそうな目をしてたんです。言いたいけど言えないなにか……」


 奏がそこまで言うと、瑞希の表情が真剣なものに変わった。


「おそらく……エドガーおじさんの仕業ね」


「エドガーおじさん?」


 初めて聞く名前に、奏が目をパチパチさせていると、瑞希がクスリと笑った。


「カイリのお父様よ」


「御堂さんの……?」


「そう、フランシスカ交響楽団を率いる世界的名誉指揮者」