とろける恋のヴィブラート

「ふ……冗談だ」


 奏がどうしたらいいかわからないでいると、御堂が身体を離した。すると、与えられた甘い温もりがすっと消え失せてしまう。寒さを感じなかったはずの風が急に冷たく肌を撫でると、奏はぶるりと身体を震わせた。


「……奏」


 髪の毛をゆっくりとかき揚げながら夜空をぼんやりと見つめ、御堂がひとことぽつりと言った。


「専属マネージャーを降りろ」


「え……?」


 御堂の冷たい針のような言葉が奏の胸を突き刺した。言葉の意味が理解できなくて、奏は呆然と目を見開きながら御堂を見つめた。