御堂は、ヴァイオリンをケースに丁寧にしまうと、弓にクロスを這わせながら言った。
「俺は城海音楽大付属高校で初めてお前に出会って、お前の奏でるピアノに出会って、次第に自分のヴァイオリンと向き合うようになった」
「ヴァイオリンと向き合う? それってどういう……」」
「どういうスタンスで弾きたいのか? どういう客に聴かせたいのか? ただがむしゃらに奏でるだけじゃだめだと気づいた。お前の音は、お前の心そのものだったからな……」
申し分のない完璧なヴァイオリン技術で、人を魅了してきた御堂だったが、影で音楽評論家から“今ひとつ物足りない氷の旋律”と言われていた。
「自分の納得のいかない音楽を賞賛されても嫌味にしか聞こえなかった。今考えると、どうしてあんな馬鹿みたいに毎日悩んでいたのか……心で音楽を奏でるということに気づけたのは、お前のおかげかもな」
苦笑いを浮かべてはいるものの、御堂の表情は柔らかく優しかった。
「俺は城海音楽大付属高校で初めてお前に出会って、お前の奏でるピアノに出会って、次第に自分のヴァイオリンと向き合うようになった」
「ヴァイオリンと向き合う? それってどういう……」」
「どういうスタンスで弾きたいのか? どういう客に聴かせたいのか? ただがむしゃらに奏でるだけじゃだめだと気づいた。お前の音は、お前の心そのものだったからな……」
申し分のない完璧なヴァイオリン技術で、人を魅了してきた御堂だったが、影で音楽評論家から“今ひとつ物足りない氷の旋律”と言われていた。
「自分の納得のいかない音楽を賞賛されても嫌味にしか聞こえなかった。今考えると、どうしてあんな馬鹿みたいに毎日悩んでいたのか……心で音楽を奏でるということに気づけたのは、お前のおかげかもな」
苦笑いを浮かべてはいるものの、御堂の表情は柔らかく優しかった。



