とろける恋のヴィブラート

※ ※ ※

「あ、あの……御堂さん、ここって……?」


 車で御堂に連れてこられた場所は、都内でも有名なグランドホテルのレストランだった。しかも、プライベートテラスを貸し切って、カップルシートに二人だけ……というシュチュエーションだ。



 目の前にはガラスのローテーブルに豪勢な料理が並べられ、そして宝石箱をひっくり返したような美しい夜景が広がっていた。


「寒いか?」


「い、いいえ。なんだかびっくりしてしまって……すごく綺麗なところですね」


 露出した肩を夜風が撫でる。けれど、奏はその高揚感に寒さを感じることはなかった。


「日本人は、ひと仕事終わるとこうやって飲み食いしたりするんだろ? その……気に入ったやつと」


 奏は、ほんのり頬を染めながら言葉を濁すそんな御堂がいじらしく思えて、思わず頬が緩みそうになってしまった。