とろける恋のヴィブラート

 コンコンとノックがされ、御堂が我に返って返事を返すと、ドアがそっと開かれた。


「御堂さん、お疲れさまです。よかった、まだここにいたんですね」


 奏は、御堂と目が合うとにっこり笑って部屋に入った。


「なんだ、お前、まだその格好だったのか」


「すみません、なんだか着替えてしまうのがもったいなくて……」


「よく似合っている」


 奏は、御堂に用意してもらった淡いピンクのドレスを身にまといながら、その言葉にはにかんで笑った。


「ちょうどいい、そのままついてこい」


「え……? うわっ」


 思い立ったように御堂が椅子から立ち上がり、奏の手を引いてそのまま歩き出した。


「ち、ちょっと……御堂さん、どこに行くんですか?」


「ついてくればわかる。その格好じゃなきゃいけないところだ」


 肩ごしに振り返ってニヤリと笑う御堂に、奏はただついていくことしかできなかった――。