柴野と出会ったのは、ベルンフリートに入社してからだ。けれど、柴野はまるで自分を高校の時から知っているような言い方に奏は混乱した。
「僕が君を好きになったのは、今から九年前。僕が城海音楽大付属高校普通科に通っていた時だよ。知らなかっただろう? 僕は君をずっと前から知っていた」
「―――」
奏は、衝撃で身体が硬直して動かないとはこのことだと思った。
柴野と出会ったのは、会社に入社してからだと思っていたが、柴野はそんな時よりもずっとずっと前から自分を知って自分を見ていたのだ。
「君があの高校に入学してきた時、僕は三年だった。進路に悩んで毎日が嫌になっていた時に、音楽室から聞こえてくる奏のピアノが唯一の救いだった。どんな人が弾いているのかと思っていた時、君が窓から顔を出したんだ。僕の初恋は一目惚れだったんだよ。一瞬で君の事が脳裏に焼き付いて忘れられなくなった」
「僕が君を好きになったのは、今から九年前。僕が城海音楽大付属高校普通科に通っていた時だよ。知らなかっただろう? 僕は君をずっと前から知っていた」
「―――」
奏は、衝撃で身体が硬直して動かないとはこのことだと思った。
柴野と出会ったのは、会社に入社してからだと思っていたが、柴野はそんな時よりもずっとずっと前から自分を知って自分を見ていたのだ。
「君があの高校に入学してきた時、僕は三年だった。進路に悩んで毎日が嫌になっていた時に、音楽室から聞こえてくる奏のピアノが唯一の救いだった。どんな人が弾いているのかと思っていた時、君が窓から顔を出したんだ。僕の初恋は一目惚れだったんだよ。一瞬で君の事が脳裏に焼き付いて忘れられなくなった」



