とろける恋のヴィブラート

「すみません、御堂さん……彼女の言うように今、私たちは取り込み中です。それに、御堂さんとはいえ、あまりうちのお客様に失礼なことをいうのは謹んでいただけますか?」


 静かな声音で横から柴野が御堂に制すると、御堂はふんと鼻を鳴らして目を逸らした。


「本物のクラシックを聴かせてやる。それで納得したら、今言ったこと全部取り消せ」


 杏子は、先程までとは違い、御堂のオーラに圧倒されてただひたすらコクコクと頷いた。


「ふん、わかればいい。なんだ、お前の言ってた話し合いっていうのはこのことだったのか? くだらないな、おい、さっさと行くぞ青山マネージャー」


「え? あ、ちょ……」


「駐車場にいるから早くしろよ」