とろける恋のヴィブラート

「なにそれ!? あなたね、自分のミスを棚に上げてクラシックを押し付ける気? 私はジャズがいいって言ってるのよ! なんとかしなさいよ、それがあなたの仕事でしょ!?」


(お、おっしゃるとおりでございます……うぅ)


 奏は、逆に逆なでしてしまったと失言を後悔した。


「最初は優雅な式にしたかったからクラシックがいいと思ったけど、やっぱりねぇ~なんか古臭いっていうか……私も、幼い頃からずっとフルートをやってたの、私だって昔はかなり有名なフルート演奏者だったのよ。だからクラシックにはもう飽き飽きしちゃって」


「ふ、古臭い……? 飽き飽き……?」


 杏子は、興奮したせいで熱が上がったのか、ヒラヒラと手で顔を仰いだ。