とろける恋のヴィブラート

「そ、そうしよう杏子。クラシックでも僕は全然構わないよ。ここの音楽事務所はクラシックが主に専門で、評価も高いって聞いてる。下手にジャズにするよりは――」


「何言ってるのよ!」


「ひっ!?」


 またも片山の助け舟は撃沈してしまう。奏のアイディアを一蹴して、杏子は目くじらを立てて怒鳴り散らすと、片山はひゅっと肩を竦めて再び縮こまってしまった。