とろける恋のヴィブラート

「そうそう、今日の打ち合わせの話なんだけど、奏にも聞いてもらおうと思ってさ」


 柴野の明るい声音に、いつの間にか落としてしまっていた目線をあげた。


「奏は御堂カイリっていうヴァイオリニスト知ってるかな?」


「ぶっ!」


 奏は予想打にしていなかったその名前を、柴野の口から聞かされて、飲みかけたワインを噴き出しそうになった。