とろける恋のヴィブラート

 春の緩やかな風にのって、洗練されたヴァイオリンの音色が流れると、その場の雰囲気が次第に穏やかなものに変わる。


 奏が選曲した誰にでも馴染みのあるクラシックの曲が、御堂の得意技術とされるヴィブラートとともに奏の胸に響き渡った。


(いつ聴いても御堂さんのヴァイオリンは綺麗に響くな……)


 御堂の奏でるヴァイオリンの音色に、誰もがうっとりとしていたその時――。