とろける恋のヴィブラート

※ ※ ※

「わぁ、まさかこんな病院に御堂カイリが来てくれるなんて……」


「信じられない! これならこの足の怪我も明日にでも治りそうだわ」


「み~え~な~い! 僕にも見せてよぅ」


 開始時刻間近になると、奏のチラシ効果もあってか老若男女、多くの人が集まっていた。


「本日はたくさんの人にお集まりいただきありがとうございます。今日はこの大月山病院にヴァイオリニストの御堂カイリさんをお迎えして――」


 司会の挨拶が淡々と終わると早々に御堂は舞台に立ち、軽く頭を下げた。


「おぉ……」


 御堂の大物オーラが伝わったのか、御堂カイリを知らない人もその姿に目を奪われた。