昨夜、柴野と険悪な雰囲気になったまま家に帰ったせいか、結局一睡もできなかった。そして、なかなか寝付けなかった奏は、夜通し今日のチラシやポスターを作ることを思いついたのだ。けれど、まるで柴野との事を紛らわせるための口実のようで、奏は後ろめたさを感じていた。
「私は大丈夫です。私もこの日を楽しみにしてましたから、精一杯頑張らせていただきます」
「それは頼もしいね、やっぱり君はカイリが選んだ女性だったんだね……彼はずっと前から見ていたんだよ」
「え……?」
(専属に選んだってこと……だよね? 見てたって――)
「では、またね」
石田は、意味深な言葉を残してにこりと笑うと、観客人だかりの中へ入っていった。
「私は大丈夫です。私もこの日を楽しみにしてましたから、精一杯頑張らせていただきます」
「それは頼もしいね、やっぱり君はカイリが選んだ女性だったんだね……彼はずっと前から見ていたんだよ」
「え……?」
(専属に選んだってこと……だよね? 見てたって――)
「では、またね」
石田は、意味深な言葉を残してにこりと笑うと、観客人だかりの中へ入っていった。



