とろける恋のヴィブラート

 ふと、先日柴野との電話で言われた言葉を思い出す。


(御堂さんとは……仕事以外なんでもないのに……柴野さんはきっと疑ってるんだ)


「あの、柴野さん……私、今回の企画すごく楽しみにしてるんです。コンサートの場所が病院っていうのも斬新ですけど、今までになかったスタイルでイベントを成功することができればって思ってるんです」


 奏は、柴野に伝えたい胸の内をさらけ出すように語った。


「こんな新しい仕事を任せてくれた御堂さんには、感謝してるんですよ。でも、御堂さんの専属だからってプライベートまでは――」


「そうならないって保証がある?」


「え……?」


 ギラリと一瞬柴野の目が光って、奏の言葉を遮った。グラスを持つ手も無意識に固まる。