「そのコンサートで病院の患者さん向けに演奏するんですよね? 御堂さんの言ってたように、短調の曲は暗めなので、長調でワルツとロンドを入れてみたんです」
院長の話によると、今回のコンサートはとある入院患者のリクエストで、院内のレクレーション施設で御堂のヴァイオリンを鑑賞するというものだった。
「これからその病院にお前を連れて行く」
「あ、はい、わかりました。私は一応、夕方頃に一旦会社に戻りますので――」
「柴野ってやつは、お前の上司なのか?」
手帳を見ながらスケジュールを確認していると、唐突に御堂が柴野の名前を口にした。
「柴野さんの事、知ってるんですか? えぇ、私の所属するマネージメント部の主任です」
「プライベートでは?」
「え……?」
御堂の顔を見上げると、じっと淡褐色の瞳がまるで奏を射るように見つめている。
「プライベートって……どうしてそんな事、御堂さんに関係ないでしょう」
「ふぅん、別に……興味ないからいいけど」
――興味ないからいいけど
院長の話によると、今回のコンサートはとある入院患者のリクエストで、院内のレクレーション施設で御堂のヴァイオリンを鑑賞するというものだった。
「これからその病院にお前を連れて行く」
「あ、はい、わかりました。私は一応、夕方頃に一旦会社に戻りますので――」
「柴野ってやつは、お前の上司なのか?」
手帳を見ながらスケジュールを確認していると、唐突に御堂が柴野の名前を口にした。
「柴野さんの事、知ってるんですか? えぇ、私の所属するマネージメント部の主任です」
「プライベートでは?」
「え……?」
御堂の顔を見上げると、じっと淡褐色の瞳がまるで奏を射るように見つめている。
「プライベートって……どうしてそんな事、御堂さんに関係ないでしょう」
「ふぅん、別に……興味ないからいいけど」
――興味ないからいいけど



