とろける恋のヴィブラート

「またどうして病院でコンサートを?」


「……説明するのが面倒くさい」


「な……っ」


 髪の毛をセットしながら御堂がぶっきらぼうに言う。


(なんなのよもぅ~~! 会話が全然続かない……)


 そんな御堂に唇を何度も何度も噛んでいると――。


「ふぅん、お前の選曲……なかなかいいな、俺が想像していた通りの曲が入ってる」


 片手で楽譜を取り、ひと通り奏が持ってきたリストに目を通すと、御堂は独り言のようにふんふんと頷いた。