とろける恋のヴィブラート

(も~自分で八時って言ったんじゃない)


 先程から何度もエントランスで御堂の部屋番号を押してみたが、一向に返事がない。奏は呆れながら、もう一度部屋番号を押した。


 すると――。


「あ、開いた」


 曇りひとつない一枚ガラスのドアが静かにスっと開いて、ようやく奏はマンションの中へ入ることができた。