(私、確か柴野さんに預けてたよね……?)


「あ、あの……私、ドレスの入った袋を確か柴野さんに持っててもらったと思うんですけど……」


「あぁ、ごめん。奏のドレスをちょっと見たくてね、袋から出して見ちゃった。そしたらあのドレス、少し破けてたみたいなんだ」


 柴野は少し残念そうに肩を落とした。


「えっ……そんな」


(せっかく買ってもらったばかりなのに……もしかして、御堂さんを運んだ時に引っ掛けちゃった?)


 奏は、あまりの申し訳なさに言葉が出なかった。すると、そんな奏に柴野は優しく笑いかける。