とろける恋のヴィブラート

『あ、奏? どうしたんだ? パーティーの終わる時間とっくに過ぎてるのに電話しても繋がらないし、心配でホテルのロビーまで迎えに来ちゃったよ』


 それはようやく繋がった奏の携帯に、ホッとしたような柴野からの電話だった。


「すみません、ちょっと思ったより遅くなってしまって……今、着替えて出るところです」


『急がないでいいから、家まで送っていくよ』


「ありがとうございます」


 奏は携帯を切ると、ドレスを畳んで皺にならないようにバッグの中に丁寧にしまった。