プライベート利用とは、音楽科でも特に優秀な生徒にだけ許可される練習目的の音楽室完全個室利用のことで、その権利を持っている生徒は学校全体でも数人しかいなかった。
音楽室には、どこぞの大金持ちの家から寄付された希少価値の高い楽器や設備が揃っていたが、優秀な生徒は大抵、富豪音楽一家で自宅に専用のスタジオを所有しているため、滅多にプライベート利用をする生徒はいなかった。
けれど、奏の家は特に大富豪というわけでもなく、ごく普通の一般家庭で当然、家にスタジオなどあるわけがなかった。自宅でピアノの練習をするたびに近所迷惑だと言われ、一日十時間はピアノの練習をしないと落ち着かなかった奏は、毎日のようにプライベート利用をするために足繁なく音楽室に通っていた。
ところが――。
音楽室には、どこぞの大金持ちの家から寄付された希少価値の高い楽器や設備が揃っていたが、優秀な生徒は大抵、富豪音楽一家で自宅に専用のスタジオを所有しているため、滅多にプライベート利用をする生徒はいなかった。
けれど、奏の家は特に大富豪というわけでもなく、ごく普通の一般家庭で当然、家にスタジオなどあるわけがなかった。自宅でピアノの練習をするたびに近所迷惑だと言われ、一日十時間はピアノの練習をしないと落ち着かなかった奏は、毎日のようにプライベート利用をするために足繁なく音楽室に通っていた。
ところが――。



