とろける恋のヴィブラート

「……さ、さぁ、どうして、でしょうね。練習不足かな……すみません、失礼します」


 奏は、もうこれ以上の質問は受け付けない。と言ったふうに、ペコリと会釈するとそそくさと部屋を出た。




「ピアノも下手くそ、嘘も下手くそ……」


 静まり返った部屋で、御堂は小さくひとりごちるとクスリと笑った。